職場の人間関係が悪い 転職は解決になるか 心が弱いだけ 逃げなのか
- 2018.12.30
- コミュニケーション 社会の中で上手に生きる
看護師・心理カウンセラーの渡辺由紀子です。
人間関係で仕事をやめる。
珍しい話ではありません。
仕事をやめる理由は、家庭内の事情を除いては、大半が仕事そのものの負担が、職場の人間関係になるでしょう。
人間関係と一言でいっても、
特定の人に虐められた。職場でハブられた。職場の人間関係全体にどうしてもなじめないなどいろいろです。
転職に関しても、人間関係をリセットしてやり直す事を積極的に勧める考えもあれば、どこに行っても同じだという言い方をする人もいます。
退職届を出してしまった方、迷っている方、いろいろだと思いますが、人間関係で仕事をやめる事について考えてみたいと思います。
Contents
退職に賛同したいケース
退職したい、とご相談を受けた時に、カウンセラーが積極的に賛同する事も、留める事もほとんどないと思います。
人の人生に責任は持てませんし、決める事が役割ではなく、ご本人が決められるようにお手伝いするのが役割だからです。
それでも、まあこちらの方が正解だろうな、と考える事はあります。
そこには、外からみている者だから見える事や、心の専門家としてトレーニングを受けてきた者の視点があります。
カウンセリングの中では、特定の答えに誘導するようでなかなかお話しできない事です。
100%正解かどうかわかりませんが、参考になる事もあると思いますので書いてみたいと思います。
職場全体の雰囲気が悪い
自分が特定の人から嫌な言い方をされている、とか、職場でハブられているといった場合ではない場合。
上司が誰彼無しにパワハラまがいの言動を取るとか、職場でミスを押し付けあう雰囲気がまかり通っているとか。
要は、みんなが辞めたがっているような職場の場合は、退職、転職方向で応援したくなります。
これも程度問題で、職場とか大なり小なりそんな所だといった納得も必要だと思います。
それ位で、仕事をやめていたら仕事がいくつあっても足りないと言われる方もいらっしゃるでしょう。
自分が耐えられる範囲であれば、働き続けるに越した事はないと思います。
それでも、私が退職もありだろうと思うのは、おそらくその状況は先々も変わらないだろうと思うからです。
過去と他人は変えられないと言いますが、一対一の関係の中では、まだ関係性を変えていく事はできます。
職場全体の人間関係が悪い時に、それを改善していくのはその何十倍も大変な事です。
特に、一スタッフがそれをやっていくのは難しいような気がします。
私自身や、周囲の方の話で、うまくいったといったお話しは今の所聞いた事がありません。
ここはこれからもこんなものだろう。
それでも、ここで働いていけるか、といった事を自分にきいてみてください。
病みそうな時
身体を壊しそうだ、心を病みそうだという時も、退職という選択肢がある事を思い出してください。
大手の企業でしたら、ストレスチェックなどの機会があり、産業医との面談や休職も組織として制度化されている所もあるでしょう。
後の昇進昇格に響くなど気になる所はあるでしょうが、命を落としては元も子もありません。
休職制度があるなら、退職の前にフルに使う。
休職して、復職して、それでも無理といった時に、退職を考えるのが順序です。
厳しい口調で指摘された事が頭に残って眠れない。
食欲もない。
そんな事は、病気の前兆です。
下手に指導なのだから、言われたようにできない自分が悪いと思ってはいけません。
言っている事がまちがいでなければ、どんな言い方をしても良いという事にはなりません。
まず、休む。
有給を使いきって、休職が許されなければ退職・転職もありだと思います。
職場全体の雰囲気が悪くてそこで仕事をしていくのが嫌な方、心身どちらでも病みそうな方には、転職は解決策になると思います。
どこに行っても同じか
あまり公にするものではないと言われて、他の理由を上げてきたが、実際の理由は職場の人間関係。
そんな転職を何回か繰り返してきた。
自分の人間関係の作り方がどうも下手なような気がする。
そんな方も、すでに退職されているなら、それはそれで正解だと思います。
自分の態度が変われば、相手の評価も変わるというのは正しいのですが、自分も疲れていますし、一旦ついたイメージを変えるのは楽ではありません。
転職は逃げだったかもしれませんが、そこに捕らわれるより、次を上手にやる事を考えましょう。
転職しても同じにしない為には、同じやり方をしなければ良いのです。
転職先でうまくやるには
そこの人になる事を最優先する
自分を含めて言うのですが、職場での人間関係を作るのが下手な方は、別に仕事をしたがらないとか、わがままとかいうのではないと思います。
(勤怠が悪くて退職を迫られるような人は省きます)
むしろ、ある意味、仕事熱心。
ただ、自分のこだわりが強い。
こんな事を大切に働いていきたい。
自分の経験から、このやり方がうまくいく。
そんな気持が間違っているのではないのですが、それはしばらく閉まっておきましょう。
その気持の裏には、ここではこんな事も大事にしていないのか、
こんなやり方ではうまくいかない、といった批判的な気持が隠れています。
最初からそれが見えると、嫌がられます。
一つの事が決まるまでには、それなりの経過があります。
正しい事がすぐに通るわけではありません。
なんだかな~という思いを飲み込んで、そこのやり方を覚えてその通りにやっていく。
それが充分にできると、周囲がきいてくれるようになります。
“前の所では、どんな風にやっていたの?”
“いろいろ経験あるんでしょ。何か良い方法を知っていたら教えて”
ここまで来たら、何を言ってもスムーズに通ります。
同じ職種、経験者の枠で採用された方なら、3か月か半年位の辛抱だと思います。
この最初の一歩を踏み間違えると、修正にはとんでもない労力がかかりますので、くれぐれも注意してください。
空気は読むに越した事はない
もう10年以上前になりますが、KYという言葉がはやった年がありました。
空気読めない、という意味だそうです。
なんだか、迎合する事を促しているようで、個人的にはあまり好きな言葉ではありません。
それでも、新しい職場に入った最初は、この空気を読むというのは、ちょっと意識した方が良いかもしれません。
慣れた職場であれば、職場の不文律のような物は、意識しなくてもわかっています。
どのあたりの人まで、きちんとした敬語を使うかとか、休憩時間のお茶は人の分まで後輩が淹れるのかといった事です。
つまらない事、と反応された方は、このつまらない事でつまずきがちな方です。
教育担当についてくれた年下の先輩に、少なくとも研修期間の間は敬語を使う、といった事はわざわざ言われないかもしれませんが、大切な事です。
そこのやり方を覚えて、今までの経験が生かせるようになるころには、タメ口になっても良いでしょう。相手が敬語になるかもしれません。
それでも、最初は先輩として接していく。
相手に気持よく仕事を教えてもらう為もあるのですが、まわりが見ているからです。
謙虚で感じが良い人が来てくれた。一緒に働いていきたい。
そう思ってもらった方が、得だと思いませんか。
経験はいろいろあって、仕事もできそうだけど、ちょっとね。
この“ちょっとね”に思いあたる方は、ほんの少しだけ、新し職場では周囲に合わせた振る舞いを意識していただければと思います。
スタートがスムーズだと後々まで楽です。
転職があたり前の時代になってきたとは言っても、ヘッドハンティングされるような場合を除けばまだまだ一所で働く事の方が有利だと思います。
良い職場に出会える事を祈っています。
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