「自分を褒める」は難しい 自分を大切にして 先に行く為に「自分をいたわる」
- 2018.12.14
- コミュニケーション 自分との対話 自分育て
看護師・心理カウンセラーの渡辺由紀子です。
カウンセリングの中で、自分を大切にしてあげてください、頑張っている自分を認めてあげて下さい、とお話しする機会は多いのですが、それが難しいとおしゃる方も多いものです。
そんな方は、今まで誉められた事がない。特に親に誉められた覚えがないので、自分を認めてやるとは、どんな事かピンと来ないと言われる事が多いようです。
私自身、親との関係の中では、認めるような事を言われる傍から、もっとできて当然という言いようをされてきたので、そのお気持の一旦を自分の事として受け止める事ができます。
人から褒められて違和感がある時:できてあたり前を疑ってみる
自己肯定感という言葉もだいぶ知られるようになりましたが、ほめられた事がない、褒められないで育ったという方は、この自分自己肯定感が育まれる機会が少なかったのです。
自己肯定感とは、どんな能力をもっている、とか、どんな事ができる、とかではなく、自分は自分のままで価値がある。存在して良いといった感覚です。
褒められた事がないという事は、そのままの自分には満足してもらえなかった。そこに様々な条件がついていたという事です。
自己肯定感が低い人が、社会でうまくやっていけないとは限りません。親からもらいそこなった、人からの承認を得たくて努力する事で、業績を上げる事ができる人もいます。
人付き合いが下手とは思うのだけど、孤立するのが怖いので、人の顔色をみながら上手に振る舞う事にたけている事もあります。
それはそれで、大切な力ではあるのですが、そこで認められて褒められても、うまく受け止められないといった事はおこりがちです。
謙遜しているつもりかもしれないけれど、褒めても、こんな事でとんでもない、といった反応をすると、周囲はがっかりします。
そんなものだという事は、知っておいて良いと思います。
ありがとう、嬉しい! は決まり文句として覚えておく事です。
皮肉ではないかとか、持ち上げておいていきなり落とされるのではないか、とか、もっと大変な事をふっかけられるのではないか、という考えが浮かぶかもしれません。
浮かんでしまう事を否定する事はできませんが、本気で相手が褒めようとしていたなら、ひどい解釈だという事は、頭の片隅においておく事も必要です。
ありがとう、嬉しい、と言っていると、まわりとの関係も良くなってきますし、何より、自分が褒められて当然だという感覚がなじんできます。
できて当然で、褒められる事もないといった感覚を緩める所に進むのはその先の話です。
もっと努力しないと褒められる価値がない、といった所で努力するよりも、そんな形で自分を大きくしていくのも良いのではないでしょうか。
自分をほめるが難しければ、自分をいたわる事から
人に褒められる事もなかなか上手に受け止められないのに、自分で自分を褒めるなんてとてもできない、という方には、自分をいたわると言い換えてお話しをしています。
いつも、親にそんなんじゃダメだ、もっともっとと言われてきた。
今も職場で成果を出す事を求められると、無理な要求まで呑んでしまう。できないなんて言えない。
その結果、体を壊したり、心を病んだりする。
仕事だから拒否はできないにしても、そんな方は、無茶ぶりされても、できないのは自分が至らないから、と思ってしまいがちです。
仕事の設定自体に無理がある事もしばしばなのに、そんな事は頭の片隅にも浮かばないようです。
「やってられない」
違和感があるかもしれませんが、まずそうつぶやいてみる。
最初は心の中で、なれてきたら小声で、段々声を大きくして机を叩きないような怒りが出てきたら叩いてみる。
相手に怒りをぶつける必要はありません。
もし、そんな衝動が沸いてきたら、しっかり伝え方を考えなくてはなりません。
大切なのは、自分で感じてはいけない事にしていた、自分の気持と結びつく事です。
そして、そんな中で頑張っている自分に、「よくやっているね」と言ってやる。
この時、よくお話しするのが、成果・結果がでれば周りが褒めてくれるけれども、小さな自分が頑張っている事を褒めてやれるのは、自分だけだという事です。
よくやっているね、は、結果に対する称賛ではなく、頑張っている事への、いたわりやねぎらいです。
そこで、もっとできなければダメじゃない、と自分を鼓舞する事は、子供のころ、親にされて辛かった事を自分にやっている事になります。
頑張らないで社会生活を送れる人はいません。
寒い朝に起き上がって、億劫だなと思いながら出勤する、といった事でも、よくやっているね、と言って良い事です。
そんな事に満足する自分になりたくないと思われる方でも、まずは、それができている自分にOKを出す事から始めてほしいと思います。
それが地に足をつけて、先に行く確実な方法だからです。
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