一人でも寂しくない おひとりさまが気楽 孤独が好き は強がりか
- 2019.03.20
- コミュニケーション 社会の中で上手に生きる
看護師・心理カウンセラーの渡辺由紀子と言います。
一人でいるのが好きなのに、「一人が好き」と言うと変わっていると思われそうで言えない、というお話をきく事があります。
積極的に言えないだけでなく、変わっていると思われたくなくて、あまり付き合いたくない事に付き合ってしまうという方もおられます。
一人が好きな事はおかしな事なのでしょうか?
Contents
一人が好きは珍しい?一人が好きはおかしいか
一人が好きな事はおかしな事なのでしょうか?
決してそんな事はありません。
人と過ごしている時間と一人の時間のどちらを楽しいと感じるか、比較した資料は見た事がありませんが、一人の時間が一番楽とか、もっと言えば楽しいと感じると思っている方はかなりの割合おられると思います。
子供が赤ん坊の頃に、子供はかわいいけど、本当に一人になりたい、といった話をママ友と共有した事があります。
子供が不機嫌な場合に限らず、機嫌が良くても時々むしょうに一人になりたくなる。せめて別室で眠っていて欲しい。
これは子供がかわいいと思う気持と矛盾したものではありません。かわいいからこそしっかり向き合いたいと思って疲れてしまう事もあります。
人と関わる事はそれだけ負担のかかる事なのです。
職場で必要なコミュ二ケーションができる程度の社交性があれば、
一人になりたい、一人の時間が何より大切と思う事は、なんの問題もないと思うのですが、そこにこだわりがある方は結構おられます。
一人が好きだといった事をふと口にして、寂しい人ね、と言われて傷ついた。
第三者が一人が好きと言ったのを、周囲の人がかわっているとか、かわいそうと言っているのを聞いてしまったとかいった経験がきっかけのようです。
社交的である事は美徳。
友達はたくさんいた方が良い。
それはそれで間違っているとは思いませんが、だからといって一人が好きな人、
一人が好きというような考えを、排除する事はないように思います。
まず、自分が一人でいる事が楽しくても問題ないと自分に言ってやれると良いのですが、周囲が認めていない事を自分に認めるのは結構難しい事かもしれません。
多数派かどうかはわかりませんが、一人が好きな人はそんな自分にOKを出せる視点を考えてみました。
一人でいられる事は力
本当は、一人で過ごせる事は、おかしな事でない以上に、それ自体が大きな力だと思います。
弱い動物は群れをつくります。群れないと生き延びる事ができないからです。
友達がいる事は素晴らしい事ですが、常に誰かが側にいなければならないとしたら、心が弱い人かもしれません。
パートナーが酒乱でも、DVでも分かれられないと聞くと特殊な話に聞こえますが、屈辱的な扱いを受けながらも、仲間に入れて欲しい人は沢山います。
一方的な気遣いを求められる、相手の機嫌が悪い時は自分のせいだと思いながら付き合っているというあたりまで含めてればそんな人の方が多いかもしれません。
いじめられるのが怖いというのもあるかもしれませが、そんな状況でなくても仲間外れは怖い。
ハブられるのが怖い。もっと言えば、周囲からハブられていると見られる事が怖いといった気持は多かれ少なかれ誰にもあります。
人は一人では生きていけないというのも本当です。
職場など公的な場で一定のコミュニケーションが取れないと苦労しますが、趣味などで入り自由の仲間でも同じように振る舞ってしまう人も多いのです。
所属したくないグループには所属しないでいられる、講座で必要な事だけ聴いてお茶に誘われなくても帰ってこれる。
それだかの事ができるだけで、生きるのは楽になります。
一人でも居れる事は、大きな力です。
それでも、仲間に入れて欲しい人には、仲間に入れてもらうコツを後述していきますが、一人も悪くないと納得していただくのがまずお勧めです。
一人も良いが仲間も欲しい
一人だとみられたくない心の奥に
一人でいるのが好きなのに、一人でいるのが好きと言って怪訝な顔をされるとひどく動揺する。
よくきく話です。
そこには、二通りの気持が隠れているような気がします。
一つは、人と違う事への恐れ。
もう一つは、一人でいる事へ自分が持っている負い目を見抜かれたような恐れ。
どちらもごくまっとうな気持です。
人と違う考えでも言っている事に自信はある。
それでも、人と違うとハブられてしまうと、その場所に居づらくなる。
その場で生きていく事ができなくなるような恐れが出てくるのは理解できます。
一人でいる事が好きな事に嘘はなくても、友達がいない事への負い目のような物がある場合もあります。
一人でいるのが好きなのだから良いのだと思っていても、ちょっと寂しい、そんな気持を見抜かれて突きつけられたような気持です。
一人が好きである事が好きなら、そこに負い目を感じる必要はないのです。
まして、一定の距離で、嫌でも付き合わなければならない人とうまくやっていけるのなら、何も問題はありません。
それでも、一人でいる事に、微妙な負い目があるような方は、そんな自分の気持と向き合ってみるのも良いかもしれません。
人といるもの楽しい自分に
一人でいるのが楽しい事に嘘はないでしょう。
それでは、人といる事はどうでしょうか?
それはそれなりに楽しい。億劫な事もあるけれど、まずまず楽しいと思えれば良いのです。
そんな方は、一人が好きな事に負い目を感じる事はないように思います。
人といると、気を使うばかりで、辛い。
人の機嫌をうかがってばかりいる自分が嫌でしかだがない、といった方は、もうひと回り自分の幅を広げてみるのも良いかもしれません。
人を誘うほど積極的な振る舞えない人でも、人の誘いに乗る事はできるのではないでしょうか。
いつも同僚は、つるんでランチに行く。
仕事も気になるし、よけいな気を使うのも嫌なので、デスクでコンビニ弁当を食べているのなら、たまには一緒に行ってみる。
今日はどこのランチ?と言えば、一緒に行かない?と言ってもらえるのはわかっているけど、それも難しい方もおられる事でしょう。
比較的親しい人に、今日はどこに行ってきたの?ときいて、わあ美味しそうね、と言っておけば次回は誘ってもらえます。
タイミングであまり気持がのらない時も、しばらくは誘いに乗る事を優先した方が良いかもしれません。
誘われるのが、当たりまえになれば、時には、「今日は一人の気分」と言っても良いのです。
自然にそれが言えるまでは、人とつき合う方で一頑張りしてみるのも悪くないと思います。
この時、ついていくだけで、そこで気の利いた話をしようと思わない事が長続きのコツです。
一人も良いけれど、いろいろな人の話を聞きながら食事をするのも悪くない。
そう思えればひと回り大きな自分になれるような気がしませんか。
一人と仲間を行き来する
人との付き合い方もそうですが、どんな事であっても、選択に幅があって、そこから選び取れる事が自由です。
一人でいる事を楽しめる、という、人が持ちづらい札を持っているとしたら、さらに、人をいるのも楽しめる、という札を足してみる。
一人でいるのが楽しい、一人上手、も大切な持ち札なのですから、手放そうなどと思う必要はありません。
一人が好き、一人が楽しい、から
一人も好き、一人も楽しいにシフトしていけると良いと思います。
人との時間、仲間との時間を自在に行き来していけるのが豊かなコミュニケーションのスタイルだと思います。
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