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仕事が続かない 転職を繰り返している 心が弱いのか 仕事選びの失敗か

仕事が続かない 転職を繰り返している 心が弱いのか 仕事選びの失敗か

看護師・心理カウンセラの渡辺由紀子です。

今日は仕事が続かないというご相談について考えてみたいと思います。

履歴書は綺麗に、転職は評価が下がる、といった事はわかっているのだけど、転職を繰り返してしまう。

情けないような気持ちは自覚しているので、叱咤激励されても辛いだけ。

自分がよくよく運が悪くて条件の悪い会社にばかり就職してしまうのか、自分の心が弱くて続かないのかわからないという方もおられます。

今度こそ、ちゃんと働きたいと思われる方に、どう進めていけば良いのかご一緒に考えていきたいと思います。

退職の原因を振り返る

あまり思い出したくもない事かもしれませんが、退職の理由をきちんと整理しておく事は大切な事です。

大きく分けると、仕事の内容か、人間関係になると思うのですが、もっと丁寧にみていく事が必要です。

仕事についていけないという事一つでも、もう少し掘り下げてみる事が必要です。
適正の問題か、誰がやっても大変な仕事なのか、効率でついていけないのか、ミスが多いのか、仕上がりに難があるといった事か。

人間関係でも、いじめられてやめるのと、喧嘩をしてやめるのとでは違ってきます。
面白いという言葉が適切かどうかわかりませんが、一人の人の辞める時のパターンは酷似している事が多いのは興味深い所です。言いたい事も言えずに我慢を重ねて最後に切れて辞めるに至るという話もよく聞きます。

上司に喰ってかかって退職を宣言して、後で後悔しても撤回もできずに退職にいたるようなパターンの方でしたら、一回は病院に行って相談されるのも良いかもしれません。

適性を軽くみない 修正は困難

仕事にはいろいろな条件がついてきます。
給与や、勤務時間、休暇、福利厚生などです。

その中で、私が一番大切にしていただきたいと思うのは、仕事の内容への適性です。

他の条件に不満があって退職された方は、退職を繰り返す事は少ないですし、退職した事を後悔する事も少ないように思います。

看護師なども、免許一枚あればいつでも就職できると、興味のある職場を転々とする方もいます。長い目でみるとお勧めしかねる面のあるのですが、ご本人がそこまで承知してそんな生き方を選んでおられる事のでしたら、それはそれで良いと思います。

心配なのは、望んでいないのに辞める事になってしまうという方です。

仕事は経験が考慮されて採用が決まったり、給与が提示されたりしますので、できれば同じ業種の方が仕事は探しやすいと思いますが、適性で躓いたと思われる方は、思い切って業種その物を変えてみるのも良いと思います。

手先の不器用な人が、技術を求められる仕事には付かない方が良いでしょうし、過度に手元に集中する方はマルチタスクを求められる仕事は避けた方が楽です。これは、自分が楽な事でもあり、一緒に働く人やお客さまにあたる人の満足にもかかわる事なので、慎重に検討してください。

仕事の適性を図る検査はWEB上にもたくさんあります。本当はきちんとしたフィードバックを受けられる所で受けた方が良いのですが、試しにやってみるのも良いかもしれません。
ただ、適性検査を前もって練習しておく事で、採用試験に合格する事を意図する事はやめた方が良いと思います。そのエネルギーは能力試験に使った方が良いです。
適性試験でその場で好まれそうな解答ができたとしても、本当の自分とギャップがあると、採用されたとしても苦しい思いをする事になります。

新卒の採用に関しては、配属先は入社してからでどんな部署にいくのか全くわからないという事が多いと思いますが、中途採用ではある程度明らかにして募集している事も多いですし、面接できけば概ね教えてくれます。
適性は会社との相性もありますが、仕事の内容の方が大切ですので、そこは自分からもしっかり訊いていく事です。

人づきあいがうまくいく小さな秘策

仕事はまずまずこなせるのだけど、人との関わりに躓いてやめてしまう、という方もおられます。

指摘される事に耐えられない。
相手が間違っていると思っても言えない。相手が正論だと思うと強い怒りを感じたり、ひどく凹む。
いわゆる打たれ弱いタイプの方です。

一旦、苦手だと感じてしまうと、必要な事も聞けなくなるので、仕事のミスが増えたり、仕事が成り立たなくなって退職する事になる。

こんな方はコミニュケーション系のセミナーや、カウンセリングがおすすめですが、敷居が高いと思われる方も多いと思います。

根本的な解決とはいかないかもしれませんが、現実的な対処方法の一つが、職場で面倒見の良い人に付くというのがあります。
大概、どんな職場での世話焼きな人がいるものです。仕事ができて、まわりからも信頼が厚いに越した事はありませんが、そこにこだわりすぎない方が良いです。新人の自分からみてもそれほどの力量はなくても、長くそこで勤まってきた人なのですから、敬意を評して大切にするとかわいがってもらえます。
ききたい事はその人を通してきけるだけでも、職場の居心地は随分良くなります。

誰一人として、面倒をみてくれる人がいないとしたら、自分の事を振り返ってみる事も必要かもしれません。
不本意な職場に来てしまった、とか、こんな仕事なんて、という態度が見えると好まれません。

いろいろな所を見てくると、その時は納得できなかった事も経験になって、そこを生かして働きたいような気持ちもあると思います。それはそれで大切な事ですが、出すタイミングは計らなければなりません。

新しい職場で、一通りの事がこなせて、その職場の一員とみなされるようになってからで遅くはありません。
どんなに筋の通った事を言っても、ここの仕事もできないのに、批判的な奴と思われるのは損な事です。
自分が損なだけではなく、大切な知識や経験が生かされないのはもったいない事です。
そう思えば、三ヶ月や半年、待てるのではないでしょうか。

最悪を想定してみると意外に頑張れる事もある

心理療法ではあまり好まれないのですが、悪い想像をする、というのも現実的に仕事を続けるのには役に立ちます。
特に実家にいる方なら、親との関係がそれ程よくなくても、食べさせてくらいはもらえます。辞めたら家賃も払えないという人とか緊迫感が違います。

そんな人にこそ、先の先を考えてみていただきたいのです。

親が老いて働けなくなる。親が死んで年金も入ってこなくなる。
家も処分する事になるかもしれません。

そんな日は自分には来ないと思い込んでいる方にこそ、敢えてその日を想定してもらいたいと思います。

お金がないと生きられないのは思い込み、とか、好きな事だけして生きていけるという人もいますが、嘘です。
今、それができているからといって、先々まで続く保証はありません。
お金があればすべてが解決するわけではないけれど、助けにはなります。

まず、そんな事を高額の料金をとってやっている講師に限って、金の切れ目は縁の切れ目。なんの面倒もみてくれません。

そんな時に宛てになるのは、自分が働いて積み立ててきたお金とスキルだけです。

雇用されて働く事がすべてではありませんが、個人事業主としてやっていくにしても、起業するにしても何の積み立てもない者にお金を払う人はいません。

続けていくしかないかな、と思えた方は心の基盤がしっかりしている方です。

病気になったり、自殺を考えたりしながら、働く事を勧めるわけではありません。

ただ、一度は、この先、親が死んでも生きて行けるのだろうかという事を自分に投げかけてみて、ご自分の中から返ってくる声に耳をかたむけていただきたいと思うのです。

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