ストレスに弱い ストレス耐性 レジリエンスを高めたい 職場で楽にやっていきたい
- 2018.11.07
- ストレスと向き合う
看護師・心理カウンセラーの渡辺由紀子です。
レジリエンスという言葉も少し一般的になってきたようですが、ご存じでしょうか?
ストレス耐性。ストレスに耐える力を言います。
同じストレッサー(いわゆるストレス)がかかっても、
受け流せる人と、潰される人がいます。
打たれ強いというのは、ほめ言葉とは限りません。
ちょっと、皮肉まじりに使われる事もありますが、
やはり打たれ強さは
この世の中を生き抜いていく為には、
欠かせない物だと思います。
学生時代は感受性が強くて、ちょっと病的な人に魅力を感じたりします。
それでも、感受性が強いが、魅力で通るは10代まで。
社会に出れば、適応しながら、自分らしく生きていきたいものだと思います。
智に働けば角が立つ情に棹させば流される 、
夏目漱石の草枕の冒頭ですが、本当に言いえているな、と思います。
智と情の折り合う所を探していく事が、カウンセリングのテーマであると思える時もしばしばあります。
そこに繋がる姿勢を考えてみたいと思います。
Contents
ストレスに強くなる方法
目標 やあるべき姿の基準を下げる
潔癖な事は、一つの美徳です。
特に仕事では、いい加減なのは困り物です。
それでも、自分が正しい事を言っているのに、
人に受け入れてもらえないとか
自分が自分の求める水準に達するのが大変と感じておられるようでしたら、
自分が自他に求める基準を意識して下げてみるのも良いかもしれません。
どの辺りが基準になるかは、業界や業種によって違うと思います。
注意義務違反で犯罪になりかねない現場では
注意深さは一つの基準になります。それだけでも、結構大変です。
早いとか、綺麗とか、仕事で良しとされる基準はいろいろでしょうが、
とにかく間違いのない事を最優先する。
逆に言えば、他は切り捨てるような姿勢で良いのかもしれません。
対人関係でクレームを直接受けるような職種でしたら、
普通の人からクレームが来ないあたりを目標にする。
クレーマーめいた人に上手に対応する事や、
高い顧客満足はその後の話しです。
会社はそこまで求めてくるかもしれませんが、
まず自分なりにクリアしなければならない基準を設定して
それが出来たら自分に「よしよし良くやった」と言ってやるのです。
面談で、「事故はないけど仕事の効率が今ひとつ」と言われたり、
「問題のある言動があるわけではないけど、接遇がちょっと」と言われても、
最低ラインはクリアしている。自分はここで勤まっていると思う事です。
その余裕が、笑顔でお客様に接する事に繋がっていきます。
周りに求めていた基準が下がると人が寄って来ます。
自分の理想で人をジャッジしていたので敬遠されていたのかもしれません。
ちょっとした愚痴を言い合える仲間がいると仕事は楽になります。
日常に小さな喜びを見出す
職場に何を楽しみに行っていますか?
仕事が喜びという人も中にはおられるでしょう。
羨ましい気もしますが、ちょっと心配でもあります。
仕事はいつも上手く行くとは限らないからです。
私は娘より若い同僚とおしゃべりしたり、
親世代の利用者さんのプロ級のカラオケを聴くのを楽しみに
介護施設にバイトに行っています。
医療職として、まだお手伝い出来る事があるのも喜びですが、
たわいないやり取りを大事にしています。
ストレスの多い状況にある時ほど、何を楽しみに職場に行くかを
意識して言葉にしてみるのは助けになります。。
認知行動療法では、コーピング、対処行動と言われる物です。
若い可愛い女の子の顔を見に行く事、同僚とのランチ、
ランチでたまにはワンランク高い物を食べてみる事、
終業後のウインドショッピング、
帰ってからの一杯。
そんな小さな事が良いと思います。
仕事は日常。会社は社員にすり減るほど働く事を求めるかもしれませんが、
乗りすぎない事です。
生活の手立てとして、居辛くならないように働けば良いと腹をくくると、
おいおいブラスαの事が出来るようになってきす。
最初から、自分にそこを課すと辛くなります。
余裕が出来たら先に行こうと考えると、
気持ちも楽ですし、確実な土台づくりも出来ます。
焦ると空回りします。急がば回れです。
後先を考えトラブルを避ける
心理療法では、「今ここ」に居る事が推進されますが、
実社会では、後先を考え行く事も大切です。
今ここで感情をあらわにしたら、
周りにどんな印象が残るだろうと瞬時に考えられなければなりません。
今の積み重ねの先にどんな人生が拓けて来るかも考え頂きたいと思います。
嫌な事があるたびに喧嘩をして仕事を辞めていては、
よほど特殊な能力がないと早晩採用してくれる所は無くなります。
そこを一考して踏み止まる事が出来る事も、立派なストレスへの対処です。
若い方には、もう少し積極的に何かを積み立てるつもりで、
働いて行く事をお勧めしています。
仕事にまつわる知識や技術を貯金して行くような感じです。
これは二つの意味があります。
今日の仕事がストレスであっても
先に繋がっていると思う事で踏み止まる事が出来る事。
そして実際に時が来れば
昇格やステップアップ転職、起業などの可能性が出て来る事です。
昔の人は、若い時の苦労は買ってもしろと言っています。
今ははやらない考え方でしょうが、ストレスに強くなり、やがてはストレスのない働き方ができるようになる知恵に通じているような気がします。
人間関係 期待し過ぎずにない
職場は仕事をしに行く場所です。
仕事をする場所であって友達を作りに行く所ではない、と言い切ってしまうのはは寂しい気もしますが、職業人としては良い姿勢だと思います。
過ごす時間が長いし、隠しようのない人間性が見えるので
深い友情が育つ事はありますが、
それは、たまたまの事だと思うくらいが良いでしょう。
最初からそれを期待しない方が安全です。
職場の人間関係に悩んでいる方には、人付き合いが下手で攻撃の対象になる方もおられますが、人に期待しすぎているというパターンが多いようです。
そんな方には、職場では挨拶と返事が出来れば良いとお話ししています。
本当は、わからない事を訊ける事なども大事なのですが、
人間関係に悩んでる方でもそれは出来ると言われる事が多いです。
むしろ、雑談が出来ない、
話題を振らなくてはと思って話し掛けるが
滑って無視されたような気がするといった事に悩んでおられる方が多いのです。
和気あいあいは、悪い事ではありませんが、
必須ではないと思うと楽になります。
増して自分がそんな雰囲気を作らなければならないと思う必要はありません。
挨拶と、わかりました、良く分からないのでもう少し説明して頂けますか、
といった事が言えれば良いと思えば気が楽になりませんか。
理想と現実のギャップがストレス
こうやって考えていくと、ストレスは状況でもあるけれど、
考え方次第で、それが随分下げられると思われる方もいらっしゃるでしょう。
理想を持ってそこにむかっていく事を一概に否定できませんが、
自分の理想でストレスを増幅してしまう事はしばしばあります。
理想と現実のギャップがストレスである事を踏まえて、
時には理想の方を下げてみるのは、ストレスに強くなる為の知恵です。
こんな物でいいかな、と時には妥協してみる。
そこでできた余裕を、なりたい自分、理想の自分づくりに使う
といったイメージはいかがでしょうか?
目を吊り上げてがんばっても、理想の自分から遠ざかってしまう
という事を意識してみると
日々のストレスとの向き合い方がちょっとちがってくるように思います。
仕事は一生ついてきます。
短期決戦で望んで、息切れするのは得策ではありません。
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