自己否定があたり前 自己肯定感を高める方法がわからない
- 2019.02.16
- コミュニケーション 自分との対話 自分育て
看護師・心理カウンセラーの渡辺由紀子と言います。
この頃は心理系のセミナーだけでなく、地域の子育て支援の集まりでも、
自己肯定感が大切、自己肯定感を育みましょう、といった事が言われるようになりました。
良い時代になったものだと思います。
自己肯定感という言葉すら知らずに育ってきた。
むしろ子供に自分の足りない所を自覚させて、是正させる事が子育てで大切な事だと思われていた。
今の子育て世代の親、私くらいの年齢のものはそんな時代に子供を育ててきました。
そんな年齢の方だけではなく自己肯定感を育んでもらう事がなく来た方の多くが、
自己肯定感が大切と言われると、戸惑いをみせます。
今の子育て世代の方でも親に自己肯定感を育んでもらった経験は少ないので、
戸惑いがあるように思います。
自分にOKを出す事自体が悪い事のような感覚がしみついているのです。
それでも、自己肯定感が高まってくると、自分が楽になるばかりでなく、
まわりとの関係も目に見えてよくなってきます。
自己否定が美学のような時代に育って自分を好きになる事を禁じてきた人に
自分で自己肯定感を育む方法を考えてみました。
親がやってくれなかったという所に逃げないで自分で取り組んで欲しいと思います。
私は50代のスタートです。
読んでくださっている方の大半はもっと若い方だと思います。
自己肯定感とは
そもそも、自己肯定感とは、どんな物なのでしょうか?
ざっくりと言ってしまえば、自分を大切に思える事です。
それも、いろいろと条件をつけないで。
親の言う事をきいているから良い子なのだ、とか、
成績が良いから先生にも親にも好かれる思っている時は、
自分に条件がついています。
自分は自分でいるだけで価値があると自然に思える事が大切です。
こう申し上げると、とんでもないと言われる方が多いものです。
あれもできていない、あの人のような力はない。
私は価値のない人間。
ただ、それを自覚しておとなしくしているから、ここに居る事を許されている。
自分で自分にOKを出したりしたら目立って何をされるかわからない
といった感覚があるようです。
自己肯定感を高める事に抵抗がある理由
そんな方に、自己肯定感が大切とお話ししても、大概、弾かれてしまいます。
何もできない、何の価値もない自分を守ってくれる物が、唯一、自己否定。
自分はつまらない人間ですと小さくなっている事だったからです。
下手に自分は価値のある物だ、という態度を見せると袋叩きに合うような感覚が見えます。
そんな方は、自分を嫌いだと言われる事も多いものです。
そこには、二つの意味があるように思います。
一つは、お話ししてきたように、自分を大切に思ってしまうと、
周囲から責められてしまうという思い込みです。
本当にしっかりとした自己肯定感がある人を、人は舐めてかかる事はできないのですが、
おそおそる自分を大事にしてみようかといった人の足元を救いだがる人もいるのは確かです。
最初からうまく対応しようと思わないで、できるだけ距離をとる事です。
もう一つは、今の自分の状態が本当に嫌なのです。
こんなに、びくびくして生きている自分の事を、肯定的に思う事なんて考えられない。
今の自分が本当に嫌い。
そんな方はいきなり今の自分を肯定しようとしないで
本来の自分と、今の自分の振る舞いを分けて考える事から初めてみましょう。
なりたい自分が別にいるなら、そんな自分をイメージして
その自分にそれでいいんだと言ってやってください。
自己固定感を育む手順
自己肯定感を上げていく、自分を大切にしていく方法はいくらでもあります。
ただ、成功体験をがあれば自己肯定感が上がるのではないかと
周囲が求める方向で大きな成果を上げる事に頑張るとずれてきます。
林修先生が自己肯定感に触れて、得意な事をやりなさい、と言われていました。
さすが、一言で言いえているな、と思います。
多分、一番、簡単で効果がある事です。
まず得意な事をやる
好きな事をやる、と重なる事もあるけど、この場ではあえて、得意に意識を向けてください。
人より少ない努力で、人並以上の事ができる事が誰にでもあるものです。
特別な事である必要はありません。
短い時間に料理ができるとか、
重い物を平気で持てるとか、
大概人が嫌になるような話も上手に聴けるとか。
そんな事を、ちょっと意識して、できれば人に披露するような気持でやっていくのです。
人助けになるような場面ならなお良いです。
まわりが、凄いね、とか、ありがとう、と言ってくれるます。
苦手な事をやっとやったような時は、時として卑屈になって、
嫌みを言われたように取ったりする事もありますが、
もともと得意としていた事なら素直に受け取れます。
都合よく使われそうになったら、これ以上は有料ね、プロだから、と言うのです。
本当の自己肯定感は自分で自分を肯定できる事。
人の評価を超えたものです。
しかし、自分を大切にできていない状態で人に認められない自分を
自分で肯定するのは難しいものです。
入口の一歩にすぎない事を自覚しながら、
人の評価を借りるのも知恵だと思います。
自分を貶める人とはつきあわない
人を貶める人は結構います。
剥きになったらみっともないようなちょっとした嫌みを言うといった人です。
そんな人自信、自己肯定感が低いので自分より弱い人をみると
おとしめて安心したいかわいそうな人です。
それでも、小さなな、嫌み、皮肉などは、重なると深い傷になります。
低温火傷を知っていますか?
触れる程度の温度(カイロなど)でできた火傷は、深くてなおりにくい物です。
マイクロトラウマと言われるような、
小さなな傷つきの繰り返しでできた傷も思いの他、深い事があります。
本当は、激怒できると良いのですが、
自分が嫌みを言われる程度の人間だという事が染みついているとなかなか怒れません。
相手の反応が怖くて怒れなより、
怒る資格がないような感覚が先にたって怒りが沸いてこないという事があります。
上手に怒る事を学ぶのは、もっと後で良いので、まず、その場を離れる事です。
小さな自分を慈しむ
自己肯定感で、大切にしなければならない自分は、何者でもない小さな自分です。
仕事で業績を上げれば上司が認めてくれる。
それはそれで良いのです。
下手な謙遜はしないで、お役にたててうれしいですと言ってください。
しかし、家族の為に、毎日仕事に行っているのに、
給料日でも改めてお礼を言われるわけではない。昇格、昇給の時に喜んでもらえば良い方。
そんな時に、自分で自分によくやっているじゃないか、と言えているでしょうか?
自己肯定感を高めるというと、
何か難しい事ができなければならないように感じる方がおられるかもしれませんが
自分を肯定するとは、そんな日常の自分にOKを出してやる事です。
ただそれだけの事ですが、それが安定した自分を作ってくれます。
それなのに、それだけの事ができない方も多いのです。
まだまだだな~と、同期の仕事ぶりを見ながら思う。
先に昇格もされたら、会社にいられないように思い込む。
苦しみは、仕事がさばけない事や、出世が遅れた事ではありません。
自分がそれではダメだと思ってしまう事です。
そうは言っても、会社や家族から、ちょっと非難めいた物言いをされる事もあるでしょう。
そんな時こそ、自分の中に居る自分を、自分でしっかりかばってやる事です。
よくやっているね。ボツボツいこう。
小さな自分が、安心して次の一歩を踏み出せるように、大丈夫だよと励ましてやる事です。
くれぐれも、しっかりしなきゃダメじゃないか!と小突いたりしないでください。
自分の中の小さな自分を笑顔にできるのは、自分しかいないのですから。
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