毒親と言われたら親が謝罪すべき?
心理カウンセラーの渡辺由紀子と言います。
あんたみたいなのを毒親と言うんだよ!と子どもに言われた。
私のクライアントさんの多くは、
そんな事をきっかけに、カウンセリングに来てくださいます。
しかし、その何倍、何十倍、否、おそらく何万倍の方が、
子どもにそんな言葉を浴びせられても、
怒って終わりだと思います。
子どもというのは、
わがままで、勝手な面もあります。
毒親呼ばわりされた時、
親の側が反省して子どもに謝らなくてなくてはならない、
そんな事を言うつもりはありません。
ただ、せっかくの機会なので、
ちょっと自分を振り返ってみる。
そんな機会にしてみるのも良いと思います。
年を重ねていく時に、
子どもは親を毒親と思い
親は自分の子育てを失敗だと嘆いているのは、
哀しい事だと思います。
毒親と言われても毅然としている事も必要
子どもが毒親と言ってきても、
毅然とした態度で居て良い。
むしろ、毅然とした態度でいるべきだ
と思われる場面も沢山あります。
私が考える、
毒親という言葉にまどわされてはならない代表的な面は、
一つは、倫理的に問題がある態度を諫めた腹いせの時、
もう一つは、毒親という言葉を使って金品を要求する時です。
倫理的、の代表が虐めに加担している時、
万引き、未成年の飲酒や喫煙などです。
手をあげるのは問題かもしれませんが、
烈火のごとく怒る。
未就学の子どもでも、高校大学生でも
怖くて二度も同じ事ができないような経験も必要です。
異性関係などはこれには該当しないと思います。
嘘をつく事などは、微妙ですね。
自分が気に入らないのか、
倫理的に問題なのか、は吟味してみた方が良さそうです。
もう一つは、思春期以降の子どもが口にする、
親が人並みの事をしてくれないからこうなった。
自分は不幸だったから今から償えという言い方をしてきた時。
携帯を買ってもらえなかったから友達ができなかかった、
から、学費を出してもらえなかったまで。
親として、経済的に余裕がなかったもあれば、
教育方針である事もあるでしょう。
納得できない進路にはお金を出さない、が
ベストであるとは思いませんが、
子どもにも説得する責任もあれば、
家を出るという選択もできます。
子どもの言い分もわかるから、
積極的には賛同できないけれど子どもが望んだ道だから、
無理のない範囲で協力する事と、
気に入らないけど毒親呼ばわりされのが嫌で、
お金を出す事は、全く別の事です。
自分の中で、しっかり線を引いてください。
人としての尊厳を脅かすのが毒親
身体的な虐待が問題なのは周知の事なので
改めて述べないでも良いと思います。
感情に任せて怒るより、
叱る方が良いにはちがいありませんが、
そうもいかない事も多々あるのが子育てです。
ただ、子どもの尊厳にふれる事を言わない、は
大切な事だと思います。
お前なんか生まなければ良かった。
期待はずれ。
○○(姑など)に似て意地が悪い。
不細工。
お父さんの子だからどうせ。
そんな言葉は子どもの心をエグリます。
生涯忘れないと思っておいた方が良いでしょう。
恥ずかしい、は
行為に限局して言うなら良いと思いますが、
難しい言葉ですから注意が必要です。
謝罪は一回だけと決める
子ども対して悪い事を言ってしまった。
謝罪したいという思いになる事もあれば、
子どもから、毒親よばわりされて謝罪を要求される事もあるでしょう。
そんな時に、謝罪は一回だけと決めておくのは
大きな意味があります。
少なくとも、一つの言動については一回だけ。
言いたい事は沢山あるけど、
喧嘩になるのも嫌なのであやまっておこう、なら、
言わない方が良いかもしれません。
どこか納得がいかないなら、
謝罪というより、流していく事もあって良いと思います。
そんな事を言ったっけ、悪い事をしたね、
みたいな言い方です。
本当に謝罪する時も、
悪い事をしたね、
かわいそうな事をしたね、
ゴメンね。
言葉が変わるわけではないけど、
何の言い訳もしない感じ。
子育ての全部を謝罪するとか考えない事です。
ある場面の言動をきちんと謝罪できれば、
同じような場面も悪かったと言っている事が伝わります。
難しいと感じるなら、
まだ、親の側に消化できていない物があるのです。
子どもが親を許したいけど許せない、という事もありますが、
親の側に同じ思いがあるのもごく自然な事です。
子どもに謝罪して欲しいくらいだけど、
親として自分にも思いあたる所がある、
子どもと良い関係になりたいので、そこに取り組んでみたい
と思われるようでしたらお手伝いできる事は沢山あります。
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