子供の愛し方がわからない 子供を愛せる親になる方法 愛情の伝え方
看護師・心理カウンセラーの渡辺由紀子です。
子供の愛し方がわからない、というお母さまのお話を聴く事があります。
気難しくなった、思春期の子供に対する気持も事もありますが、かわいいさかりの乳幼児のお子さんにも、愛し方がわからないといった感じをいだくお母様は決して珍しい事ではありません。
子供の愛し方がわからないというのは、子供をかわいく思えないとか、子供を愛せない事を言っているとは限りません。
言葉にするのは難しいのですが、子供を愛しているとは思うのだが、これが愛しているという事になるのかわからない、といった感じでしょうか?
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子供の愛し方がわからないと感じる理由
子供の愛し方がわからないと言われる方は、親に愛された経験がないのではないか?という所にすぐ話がいくのですが、そう一言では言えない所もあります。
虐待や、育児放棄をされたから、自分の子供にどう接していいかわからない、子供を愛しているかわからないという方も確かにおられるのですが、お話しをきく分には、申し分のない愛情を受けてそだったような方からも、そんな言葉がでる事があります。
それでも、よくお話しを聴いていくと、親は親なりに大切に育てたとしても、それが子供の求める愛されている実感とはかけ離れていたという所に行きつく事が多いようです。
大事に育てられたとは思うのだが、生まれた時から親の仕事をつぐ事を期待されていたとか、墓を守る事が暗黙の了解だったといった。ある所までは、それが当たり前だと思っていたが、思春期あたりで、本当は自分はそれが嫌で嫌でしかたがない事に気づいた。
その後、親の期待を感じて、裏切るわけにはいかないと自分の思いを飲み込んでしまった方もいれば、親に背いて自分の望む方向に行ってはみた物の罪悪感のような物が抜けないという方もおられます。
親なりに、大事にしてくれたと頭ではわかっている所が逆に難しさを生みます。
自分も子供を大事に育てていきたい気持はあるけれど、これで良いのだろうか?
どんなに大事に育てた所で、結局、自分と同じ思いを我が子にさせてしまいそうに思う。
そんな事を考えると、子供を持つ事に躊躇もあったし、実際に子供を抱いてみてもちゃんと愛せているのか心配になる。
溺愛された事に息苦しさを感じていると、放任してみたり、忙しいのか親がかまってくれなかったと感じると必要以上にかまってみたり。
子供との関係もなにかぎこちない物になりがちです。
子供に自然な愛情をむける為に
子供は自分のような思いはさせたくない、といった気持だけで、それを是正するのは、難しい事です。
それでも、できない事ではありません。
親との関係を棚卸する
まず、何となく、不満を感じながら改めて引っ張り出すのは抵抗があった、親との関係を一度見直してみる事です。
今となっては、親の気持も理解できる所もあるでしょうが、理解しなければという気持は一旦おいて、小さな時の自分の味方になってあげるのです。
期待と言えば聞こえは良いけれど、結局、親のメンツが大事だったんじゃないの?
思うようにしよとなんてひどすぎる。
あなたの自己実現の為に、私は生まれてきたわけじゃない。
心の中でつぶやく所から初めて、一人の時に声に出して言ってみる、といった事をやってみるのです。
小さな自分が機嫌を直すまで、しっかりつきあってやってください。
兄妹や友達と分かち合えたらなお良いと思いますが、親の気持も理解しなければ、といった方に話を持っていきたがる人もいるので、注意が必要です。
そんな事は、10年先に考えられるようになれば良いのです。
親から受け取りたかった物を受け取る
これは、親から受け取りたかった物を親から受け取る事ではありません。
それができるに越した事はないのですが、期待しない方が無難です。
子供のころからの不満を親にぶつけて、あんたそんな事を考えていたの「悪かったね」と親が言ってくれたという話は、私の公私で知る限り一人しかいません。その人はそれから親がなくなるまでの何年かを、本当にハネムーンのように過ごしたと言います。
うらやましい話ですが、自分を振り返っても、友人やクライアントさんの話を聴いても、大概は「今ごろ何を言い出すの」と言われるのが落ちです。悪くすると、いい大人になってまだ親の気持がわからないのか」と追い打ちを掛けれらかねません。
あなたは良い子だよ。そのままで充分。生まれてきてくれてありがとう。
そんな言葉を自分にかけてあげるのです。
パートナーや親しい友達がその役割を引き受けてくれたら幸せですが、そこに恵まれなければ、自分で自分に言ってやるのです。
親からも言ってもらえなかった事を言うのは、違和感もあるかもしれませんが、これが自分の子供の為でもあると思って言ってみてください。
練習だと思って繰り返し言っていると、ああ、これだけの事を言ってもらうだけで、こんなに気持が満たされるのだ、という実感が持てるようになってきます。
そうなると、もう、子供の愛し方がわからない、という言葉は出てこなくなります。
このプロセスを一人で踏んでいくのが難しい。不満のあるエピソードを思い出しただけで恨みに飲まれそうになると言う方や、自分をいたわると自分が崩れてダメになりそうだという方は、心理カウンセラーを使っていただくのも良いかもしれません。
生まれてきてくれてありがとうをベースに
子育ては生活です。
日常的にいろいろな事がおこってきます。
可愛い可愛いで育てていても、子供に自我が芽生えてくれば、ぶつかる事も多くなります。
子供は3歳までに親孝行のすべてをする、という言葉がありますが、言い換えれば、その後の子育てには苦労は付き物だという事です。
カッとなって怒って、いわずもがなの事を言って、自分が親にされたくなかった事をやってしまっていると思う事もあるでしょう。
それでも、完璧な子供でなかった時に、親が自分を責めたように攻め始めると、悪い循環がまわり始めます。
そんな時は、親に悪役を引き受けてもらうのです。
お母さんの育て方が悪かったので、私も子供にこんな風にしかできないのよ。お母さんのせいだからね。
直接言葉にするのは、弊害もあると思いますが、そんな事をつぶやいてみるのです。
自分には、あんな親なのによく立派にそだったね、と言ってやるのです。
ちょとニヤッとできれば、成功です。
自分を許す事ができていると、子供にも余裕のある対応ができるようになってきます。
人は子育てが下手だと言われるのは、自省心が災いしているように思えます。
犬や猫は、子供に愛情を伝えられるのだろうかと悩んでいるようには見えません。それでも、子供を愛しているのは伝わってきます。
生まれてきてくれたありがとう。
居てくれるだけで良いよ。
そんな気持がベースにあれば、その気持は充分に子供に伝わっているように思います。
随分、下手な伝え方をしてくれた物だけど、親もそんな気持だったのかもしれないと、腑に落ちてくるのもそんなに先の事ではないように思います。
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