親に感謝はしてるけど 「ちょっと」と思っている方へ
看護師・心理カウンセラーの渡辺由紀子といいます。
母の日が近くなりました。
この季節になると、やはり母親との関係絡みの話題は多くなります。
大概、「ちょっとね」という話です。
虐待されたわけではない。
食事も用意してくれたし、学校も出してもらった。
そこに感謝もある。
憎んでいるとか、恨んでいるとかいう言葉はそぐわない。
それでも、「ちょっと」がぬぐえない。
ちょっと、鬱陶しい
ちょっと、好きになれない
ちょっと、尊敬できない
そんな方には、そんなものですよ、とお話しする事が多いように思います。
すると、怪訝な顔をされる事が多いのです。
そんな方は、親への「ちょっと」を
身近な方に話して、
たしなめられたような経験をお持ちです。
親にそんな言い方をするなんて、
親だって一生懸命だったんだ、
そう言い含められれば、それはそうだと思う。
「ちょっと」を感じる事に罪悪感も感じる。
こんな時に、心理カウンセラーやセラピストの対応は
両極端に走る事が多いようです。
不満を掘り下げるか、
心からの感謝を促すか。
私は、それが生き辛さに繋がっていなければ、
まあ、いいんじゃないの、そんなものです、と申し上げます。
どんな人間関係の中にも不満はあります。
不満を認識しないですむのは、
恋愛時代と結婚して長くて2、3年だと言われています。
それだって、よくよく安定した関係の場合でしょう。
不満はあっても関係を培っていくのが、
夫婦関係の醍醐味といっても良いと思います。
血がつながっている親子であっても、
思春期以降、子供が親を批判する力をもってからが、
大変な所であり、
すぎてしまえば、子育ての醍醐味だったように思います。
絵に描いたような仲よし親子でなくても、
何も恥じる所はありません。
ただ、そこに、
心理療法のテーマがないわけではないのです。
健康な方であれば、
親の意見と自分の望む所をどうすり合わせて、
人生設計をしていくか、といった事。
葛藤のテーマ
親のかかわりが不十分であったり、
うまく受け取れない方であれば、
愛着障害・育て直しのテーマ。
虐待があれば、
トラウマケアが必要になります。
身体的な虐待で生命を脅かされるような思いをしてきた方が、
最も深刻ではあるのですが、
ご本人にとっての辛さには遜色はありません。
感謝はしているけど、ちょっと、の中に、
そんなテーマが隠れていないか。
それを、ご本人が扱って欲しいと願っているか、
いつも、そんな所にアンテナは立ててお話しを伺っています。
恋愛がうまくいかない
人との距離の取り方がわからない、
どうもそれが、親との関係に端を発しているようだ
と思いあたる方は、
誰もがそんなものだと納得しようとしないで、
セッションの場で扱うのがお勧めです。
エピソードとしては、
人が引くような扱いを受けたけれども、
今は幸せだと思えなら、
少なくとも、今、向き合う必然性はありません。
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