死にたいくらい辛い気持ちへの対処
- 2020.04.15
- ストレスと向き合う メンタル不調 うつ状態
- 希死念慮, 死にたい, 自殺企図
看護師・心理カウンセラーの渡辺由紀子と言います
新型コロナウイルスが世界中で猛威と振るっています。
自分が感染するのではないかという漠然とした不安
人に感染させてしまう不安
感染者になる事で社会から抹殺されそうな不安
大切な人がなくなるのではないかという不安
社会全体のエネルギーが落ちている感じです。
不安への対処のトレーニングを重ねてきた私も、
不安に飲まれないくらいの所を維持できるくらいで、
かなりエネルギーが下がっているのを感じます。
こんな時は、下手に上げようとしない方が良いのです。
不安と戦おうとする事でまたエネルギーを使うより
不安な気持ちと一緒にいるような姿勢でいた方が、
結果的に多くの事ができます。
不安への対処については、
不安な情報が多い 不安への対処法
に、書いていますので、そちらも読んでみてください。
新型コロナウイルスに関する不安は
感染する事にまつわる不安だけではありません。
生活が成り立たない
それも、その状態がいつまで続くかわからない。
派遣や非常勤で雇用されている人なら、
休業状態で給与が入ってこない。
会社に籍はあっても無給の状態がいつまで続くか考えると
いてもたってもいられない。
飲食店などの経営者の方は、
店舗の家賃や従業員の給与など固定費がかかるので、
よけい大変かもしれません。
いつ死にたい気持ちが出てきても不思議はありません。
実際、死にたいと思いながら、
死ぬわけにもいかないと頑張っておられる方が多いと思います。
こんな状況の中で、
心理職ができる事は限られています。
感染への漠然とした不安への対処の方が、
まだ、気持ちで対処できる部分が大きいのです。
食べていけない、といった状況がある時、
心の持ち方だけで解決できるような言い方は
無責任であり、失礼な事だと思います。
そこを踏まえながら、
それでも、そんな状況の中でできる事もあるので、
そこをお伝えしたいと思います。
死にたい気持ちになる原因
死にたいとまで思う時、
人は原因を探って対処しようとします。
それがうまくいかない時や、対処の方法がないと思うと、
ますます死にたくなり、
自殺してしまうといった事がおこってきます。
自分だけが死ぬのは理不尽だと思うと、
ラッシュ時の電車に飛び込むような事をやってしまいます。
自殺に踏み切れないものの、
道を歩いていて車が飛び込んできて跳ねてくれたら、と思う、
といったお話しは頻繁に聴いています。
そんなに重く考えなくても良いのではないですか?
失恋して自殺を考える人もいれば、
失恋したら新しい出会いを求めて合コンに行く事もできます。
どちらを選ぶかはあなた次第ではありませんか?
そんな問いかけに、全く意味がないわけではないのですが、
本当に辛い時には、エネルギーが下がって、
柔軟性のある考えができなくなります。
ある意味、問いかける事自体が酷なような状況です。
こんな時には、必ずその奥に疲れがあります。
一朝一夕の疲れではありません。
月単位年単位で溜まってきた疲れ(蓄積疲労)が根本的な原因です。
死にたい⇦辛い状況 ではなく、
死にたい⇦状況に対応する力の低下⇦エネルギの低下⇦蓄積疲労
こんな構図でみると、まず、蓄積疲労から対処してくのが、
遠回りのようでも、結局早い事が想像できると思います。
ただ、大概の場合、
大変な状況⇒頑張って対処しようとする⇒ますます疲れる
といった事になりがちです。
シンプルなようですが、
まず、疲れに対処するような方向で考えていく事が
何より、有効です。
簡単ではないが「休む」を優先する
具体的に動いて、問題が解消していく時には
我武者羅に頑張る、
そんな一頑張りが有効な事もあります。
ただ、動いていれば何かがひらけるのでは、と思って、
やみくもに動いているようでしたら、
思いきって休む事を優先していただきたいのです。
動く事は、不安を紛らわす手立てにもなります。
ただ、これは、紛らわしているだけで、
本当に解決に向かって、行動できているわけではないのです。
動く事を止めると、
不安な気持ちが前面に出てきて、
よけい辛く感じるかもしれません。
それでも、体だけでも休ませる。
具体的には、睡眠時間を増やす。
眠れないなら、とにかく横になってゴロゴロしている事です。
緊張をほぐす為の少量の飲酒が絶対にいけないわけではありませんが、
酔い潰れるような状況でしか眠れないなら、
睡眠薬を処方してもらってでも眠る事です。
通常、自分がこれくらい眠れば大丈夫だと思う時間の
2割増しくらいは寝ていただきたいと思います。
熟睡できると、
死にたい気持ちと距離がとれてきます。
辛い気持ちが、一晩で解消するわけではありません。
コロナであれば、短く見積もっても
感染拡大が言われはじめた二三か月の疲れは溜まっています。
それでも、休む事を意識した生活をしていると、
頭がまわるようになって、
実際に意味のある動き方もできるようになってきます。
頑張るより、休む・整える
こんなお話しをして、納得して実践してくださった方は、
みなさん良い方向に向かっています。
カウンセリングにこられる度に死にたいと言われていた方
仕事に行けなくて休職していたような方でも、
リハビリ出勤から、復職に至った方は何人もいらしゃいます。
新型コロナの問題は、
単に心が弱っているだけではなく、
実際に生活の問題がかかっています。
先が見えないような状況もあります。
このあたりでは、
地震や水害以上に辛い辛い要素があります。
疲れを取る事ですべてが解消できるとは
言い切れない要素が山積しています。
それでも、そこに対応していく為には、
対応するだけのエネルギーを回復させる事が必須です。
気力は振り絞れば尽きる方向にいきます。
死にたい気持ちになる程、
自分を酷使しない事がなにより大切です。
心も体も、
休んで回復させて、整えて使ってやれば、
あなたの為に、もっと働いてくれます。
自分を大切に、
この状況を乗り切っていきましょう。
期間限定 (緊急事態宣言明けくらいまで)
「休んで回復する為のサポートセッション」
「新社会人の為のサポートセッション」
「(医療・保育など)援助職の為のサポートセッション」
「漠然とした不安を緩和するセッション」
オンラインのみ 50分 5000円 30分 3000円
初回 50分 2回目から30分がお勧めですが、
お試しに初回30分でご利用いただいても結構です。
問い合わせのフォームから「」内のテーマを記入して、お申し込みください。
少しずれるんだけど、と思われても大丈夫です。
親との関係などのセッションと一応線を引いておくためのテーマの設定です。
入金確認後のセッションになります。(緊急時は応談)
希望の日時を何か所か書いていただくとスムーズです。
*お話しがまとまらないのはかまいません。
愚痴から始まっても、愚痴を聴いてもらったにとどまらない対応ができるつもりです。
ただ、何となく人にあたりたい、という目的でのご利用はご容赦ください。
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