礼に始まり礼に終わる マナーは自分を守る 鎧
礼に始まり礼に終わる、という言葉があります。
武道などで、礼節を重んじ相手に敬意を払う事の大切さを言うようです。
私はこれは、日常のコミュニケーション全般にも大切な姿勢ではないかと思います。
大切、というと、お説教じみて聞こえるかもしれませんが、自分を守りながら、周囲とも気持よくやっていく為に使える考え方ではないかと思うのです
礼節を優先する強み
上司や先輩に敬語を使う、といった事は、相手の為のように思われるかもしれませんが、実際は使う側にメリットがあります。
敬語を使うだけで、相手に敬意を表している事が伝わる→相手が敵をみなさないで、助けなければならない存在と認めてくれる、といった流れができるからです。
お客さまは、礼儀正しく接してもらえば、尊重されたと思って、次の取引にも応じてくれる可能性が高くなります。
これは、ある意味、正しい事をいったり、有利な条件を提示する事より大切な事かもしれません。
むろん、礼節なのですから、心にもない事を馬鹿丁寧に言う事はありません。敬意をもって、それが伝わるように言う事が大切です。
近い関係こそ礼節で差でる
お客様には、礼儀正しく接する事を教育されて、それを守る事ができる人でも、年の近い先輩に物をたずねる時にタメ口だっりします。
そのあたりの態度は、結構嫌われるのですが、本人は気づかない事が多いようです。
年下の先輩とか、先にその部署に配属された後輩に丁寧語を使って物をたずねるといった事ができる人は、しっかりした人だと評価されます。
もっと、礼節が忘れられがちで、役に立つのが家族関係です。
食事の支度をしてもらう事から、進学にお金を出してもらう事、自分の親の介護に手を貸してもらう事。そんな事を、当たりまえにしてしまわない。
ありがたいと思っているよ、何を他人行儀な、と思う時も、一言言葉にする。
ありがとう、とか、悪いね、とか言いやすい言葉で良いと思います。感謝してるよ、では、ちょっと重いかもしれません。
大げさに言わなくては、と思っているのではなく、サクッと明るく言えると良いと思います。
本音のぶつかりあいは良し悪しを踏まえて
人とは、本音で付き合いたい、表面的な関係はつまらないし、何か嘘くさくて嫌だというお話しは良く聴きます。
それはそれで、悪い考えではないと思いますし、そこを志向する人の正直さのような物は、私も嫌いではありません。
それでも、本音が好まれる場面ばかりではないという事は、知っておいた方が良いと思います。
電車の中で、赤ん坊が泣き叫ぶ時に、誰もが苛立っていても、声を上げて親を非難する人に好感を持つ人はいません。内心、自分の言い分を代弁してくれたような所があると理解しても、大変な状況にあるお母さんを批判する薄情な人間と一緒にされるのは嫌だという気持ちが強く働きます。
これが、匿名のSNSだと逆の発言が力をもったりします。
弱い立場の人には理解を示す、というのは、思いやりを言っているようですが、マナーと考えた方が受け入れやすい事が多いように思います。
満員電車に赤ん坊を連れて乗ってくるお母さんには、事情があるでしょう。
人に迷惑をかけるから、子連れで出勤するなら時間をずらしなさい、とか、思っていても口にしないのは、礼節ではないでしょうか。
思っていけない事だとは思いません。むしろ、そう思っている人もいる事も踏まえながら、子ずれのお母さんは周囲に配慮していく。これも礼節だと思います。
子連れでも周囲に配慮して行くべき、とか、それを口にするのは思いやりがない、とかいう事で論争しても不毛なように思います。
それくらいなら、ちょっと他人行儀に双方が、人を非難しない、というマナーを守った方が、円滑に収まるような気がするのです。
思いやりを形にした物が、礼節のようにも思うので、あえてそこを分ける必要はないのかもしれませんが、気持ちがついていくかは後にしても、マナーを守っていくのは、双方に損のない事だと思います。
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