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プライドが許さない プライドのメリット デメリット

プライドが許さない プライドのメリット デメリット

看護師・心理カウンセラーの渡辺由紀子と言います。

仕事の現場でも、カウンセリングでも、プライドが許さない、という言葉はしばしば聴きます。
そんな仕事の仕方はプライドが許さない。
そんな職種に配属されるのは、プライドが許さない、など。

プライドは、面白い言葉です。
直訳すれば、自尊心。
良い意味にも悪い意味にも使えます。

私、プライドが高いの、と人前で言う人は、どんな気持ちで使っているのでしょうか?
プライドに見合う自分がいると思わなければ出てこない言葉だと思います。
傍からみていると、ちょっとな、と思う事もあります。

地味な仕事にプライドを持ってやっている人も沢山います。
そんな人に社会は支えられているのですから、そのプライドを含めて大切にしていかなければなりません。

男のプライド、といった言葉もあります。
女性に対して使う時は、経済力が絡んでいる事が多いようです。
sexがらみの事もあるかもしれません。

今回は、仕事のプライドをメインに考えてみたいと思います。

仕事への自尊心は必要

一現場職人が、子供に向かって、このビルはお父さんが建てたんだよ、というようなプライドは素敵だと思います。

ネジを絞めるような仕事でも、誰かがきちんとやるから、高層ビルも建ちます。オーナーの会社の社長や、図面をひいた建築士の力でビルが建つわけではありません。

介護も地味な仕事ですが、動けない人に手を添える時、どれだけ安全安楽にできるか。そこに配慮する事に、プライドをもって働いています。
こんな仕事にしかつけなかった、と思いながら働く人は排除されていきます。

中途半端な仕事をする事はプライドが許さない、それは、働く側にとっても仕事の張り合いに繋がりますし、サービスを受ける側にもありがたいものです。

プライドにすがるのは痛々しい

これと逆に、傍からみていると、痛々しいと感じるプライドも結構あります。

プライドが許さない、といった言葉で語られるものの多くは、そんなプライドのような気がします。

営業でバリバリやるつもりだったのに、派遣の女の子がやるような事務職に回された。
救急救命の看護師になりたかったのに、おばちゃんでもできるリハビリ病棟に配属された。
障害者手帳は持っているけど、障害者枠での雇用なんて。

なぜ痛々しいと感じるのだろう?

コミュニケーションに難があるので営業では大変だろう。
即断、即決ができないから、急性期は適性がないだろう。
周囲の配慮で何とか働いていける状態だろう。
それが、傍からも見えているのに、そこにしがみついている。
その事、そのものが痛々しいと感じるという面もあります。

もう少し掘り下げてみれば、自分の価値を、そこに置いている事に痛々しさを感じるのかもしれません。

バリバリ働きたいと思う事自体を否定するつもりはないのですが、それだけが人間の価値ではないだろうに、部署や役職の名前にすがってしまう。

これまで、自分がそれまでその職場や職種を低く見ていた事の付けが回ってきたとも言えるでしょうが、それで、突き放すのも酷な話です。

緩めた方が楽になるプライド

それでも、そんなプライドは捨てた方が楽になれます。捨てるのは楽ではないが無意味なプライドと頭では理解できても、プライドを捨てるのは容易な事ではありません。

それは、持たなくても良いプライドにすがっている人ほど、自分に自信がなくだから、そこにすがらずにいられない。プライドが命綱のようなものだからです。

防衛に否認というものがあります。
イソップ童話でキツネが欲しかった葡萄をとれなかった時、あの葡萄は酸っぱいといった話に象徴されます。

せめて、プライドを感じる場所が、酸っぱい葡萄になってくれた方が楽なのに、と思うのですが、ご本人にとっては、すがらずにはいられない命綱。
そんな時に、綱を離すように言うのは無理があります。

自分が自分である事に自信を持てたら。この頃、知られるようになった「自己肯定感」が高い状態にあったら、外からの評価にすがるような事はないものです。

それでも、それにすがらずにいられない方には、まず、怖い気持ちを受け止めていく。
ご本人にも、プライドが許さないよね、大事なものなんだよね、と自分に声をかけてあげる事をお勧めしています。

それが、つまらない(あえてつまらない、と言います)プライドを手放していく近道だからです。

積極的にお勧めする事はありませんが若い方なら、できる所までやってみる、というのもありかもしれません。この仕事を無理として閑職にまわそうとした会社をやめて希望の職種で転職する、といった事です。
自分のイメージに合う実績があげられるかもしれませんが、どこに行っても、自分の力はこんな物だと思いしらされるだけかもしれませんが、それも学びです。

しかし、本当にお勧めしたいのは、周囲が勧める職場で、周囲がどんなプライドを持って仕事に取り組んでいるかに学んでいく事です。
花形の職場にいる人のプライドが本当のプライドであるとはかぎりません。ただの張りぼてで自分を飾っているだけの事も多いものです。
地味な仕事が、会社に必要な物である事を自覚しながら、淡々とこなしていく事は誇りを持って良い事だと思います。
誰も、自分の仕事にプライドを持っていないような職場なら、別の意味でやめた方が良いかもしれません。

つまらないプライドは捨てて、本質的な自尊心を育んでいく。
それは、人が老いていく時、周囲と折り合いながら自分を生かしていく為の大切な力になります。
力まかせの働き方には、限界がある事も頭に置いておいてください。

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