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傾聴が大切を言われるが 部下 後輩 の 話を聴けない

傾聴が大切を言われるが 部下 後輩 の 話を聴けない

看護師・心理カウンセラーの渡辺由紀子と言います。

傾聴(けいちょう)という言葉も大分、一般的になってきました。
傾聴、耳を傾けてきく事。傾聴のきく、は「聞く」ではなく「聴く」なのだと言われたりします。

話を聞く事は、日常的にやっているはずなのに、改めてやろうとすると難しい事のようです。

なぜ、聴く事が難しいか、聴く事の意味、どうしたら聴けるか、そんなお話しをしてみたいと思います。

人の話を聴く事はなぜ難しいか

相手が、自分の興味を持てる話や、自分の考えを支持してくれるような話をしてくれる時、話が聴けないと感じる方は少ないと思います。
いらっしゃったにしても、他に気になる事があったり、体調が悪かったりといった、話とは別の要因が大部分でしょう。

話が聴けないと。感じる時は、相手の話の内容や、相手との関係性がかかわっているように思います。

立場が上の人に威圧的な物の言い方をされるのも嫌な物です。
それでも、事務的な内容を聴き落とさないようにすれば、こちらは聴いたふりをしておく事で大分楽になります。
相手は、こちらが聴きたいかどうかにかかわらず必要な事は話すからです。

もちろん、より良い関係を作っていきたいと思われるのでしたら、聴いたふりではなく敬意をはらって傾聴できるにこした事はありません。

それでも、どちらかと言えば聴く事に気持をむけて欲しいのは、同僚や部下、子供や、生徒など自分と同等から下の立場の人と話す時です。
聴き方によって話してもらえる内容が大きく異なってくるからです。

実際は下の立場の人の話を聴く方が難しいのです。

下の立場の人の話を聴けといわれても、何のためにそんな事をしなければならないのか、わからないという方もいらしゃいます。

部下やわが子などには、どうしても相手が、こちらが言った事を受け止めて当然と思う気持が働きます。それが、話を聴く事をより難しくさせているようです。

人の話を聴く事の価値

必要な事を言っているだけで、力ずくで抑えようとしているわけではない。
上司や指導者の話は聴いて当然だはないか、と思われる方が多いかもしれません。

それでも、傾聴をお勧めするのは、聴く姿勢があると、相手がこちらの言った事を受け止めやすくなるからです。
相手に、聴くべきといくらお説教しても聴いてくれなかった事をも、こちらが聴く姿勢をみせたとたん、受け止めてくれる事が多いのです。
これは、受け入れてくれると同じではありません。聴くだけで、相手が思うようになるというのは、期待のしすぎ。そんなに簡単にいくわけではありません。

それでも、こちらがお説教をして、相手がむくれているといった構造が、どんなに諭しても変わらないと嘆かれるようでしたら、まず、聴く側に回ってみるというのは試してみる価値がある事です。

下手にでると相手がいい気になる、といった懸念を感じる方もおられるかもしれません。
聴く事は、相手の言い分をとりあえず聴く事で、相手の言いなりになる事ではありません。
そこを混同するとよけい聴けなくなります。

正しいかどうかはさておき、相手がどう考えているか、とりあえず聴いてみようと思っていただければ良いと思います。

傾聴のコツ 相手の言い分を把握する機会だと思う事

私は、カウンセリングの場に限らず、人の話を聴いている時は、あなたはそう思うのね、と思っています。

このごろは、無意識にその立ち位置に居る事ができるようになってきたようにも思いますが、カウンセラーとしてトレーニングを始めて数年は、常にそれを意識していました。
あなたはそう思うのね、は、私もそう思うの事もありますし、私はそうは思わない、の場合もあります。
どちらにしても、あなたがそう思う事は認めますというスタンスです。

傾聴の教室などでは、うなずきや、相槌、言葉を繰り返すなどの方法を教えられる事もあります。
形から入るという意味では、これも役に立つのですが、その奥にあるのは、この相手が思う事を認める姿勢です。

基本的な勤務態度がなっていない部下や、心配して言っているのに夜遊びをとがめられると露骨に不機嫌になる思春期の子供に、このスタンスで接する事は容易でないかもしれません。
それでも、あえてそこにたって聴いていると、面白い事がおこってきます。

ます、ご本人なりの理屈が見えてきます。
幼く一人よがりかもしれませんが、ああ、こんな考えに基づいて行動していたんだ。
そんな風に見る事ができると、相手との関係が変わってきます。

そんな理屈は、世間一般で通るものではない!と怒りを感じた時はチャンスです。
そうそう一般化はできないけれど、本人なりの考えのプロセスを聴くチャンス。
チャンスはチャンスとして使う事です。

それでは世の中、通用しない。はじき出されると言いたい気持もわかりますが、あえてご本人の理屈を語ってもらう。
それができると、自分が返す一言が変わってきます。

聴くだけ 答えを提供しない事が肝要

若い時は、若さだけで許される事が沢山あります。
それが、先々まで続くように思っている若者はいくらでもいます。

若い時のようにいつまでも行くものではない、と言えば頭から抑えられたと思うでしょうが、じっくりと話を聴いて、で?と返す。
嫌でも、先をつきつけられます。

で?
そやっていると、こうなって、ああなって、あなたも大変と答えを出してやる必要はないのです。

自分なりの正論で、お客とトラブルを起こしている部下にも
ご本人の理屈を聴いた上で、で?と返すと、自分の言い分だけではなく、それが招く結果も考えざるおえなくなります。

若いかわいいで売る仕バイトで小遣いをかせいで、充分独り立ちしていると主張する子供にも、
年を取る日がくるのだとお説教する必要はありません。
思うように育ててくれなかったからと、法外の小遣いをせびる子供でも同じです。

あなたの言い分は聴きました。
で?
どうやっていきたいの?

これも、問いかけるだけで良いのです。
答えは、ご本人が探しにいきます。

そうはいってもと、言いたい気持はわからないではありませんが、正解を提示してやろうとするのは単なるお節介かもしれません。

聴く事は相手に考えさせる事

聴く事を、相手の言い分を認める、聴きいれる、と混同すると聴く事が難しくなります。

相手が、傷ついていたりすれば、辛いね、わかるよ、と言う姿勢で聴く事も必要です。
ただ、会社や親子関係での聴く事の難しさは、相手が未熟なのに勝手な事を言う、という思いにある事が大半です。

そんな時は、相手に存分に話をさせて、相手が自分の言い分の矛盾や足りない点に気づくのを待っているのが適切です。

そのが本当にできる為には、上司や親であっても、相手の言い分を聴きながら、自分の言い分の矛盾や狭さに開かれていかなければなりません。
それができてこその傾聴の効果なのだと思います。

親や上司といった立場が、聴く事をより難しくしていると思われる時は、子供や部下をカウンセラーに預けてみるのも一つの方法です。
守秘義務があるので、進捗はお伝えできませんが、ご本人の言い分の先まで行きつけるようなサポートはできると思います。

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