50代女性 子供が結婚 自立 空の巣症候群の寂しさ 虚しさを乗り越える
心理カウンセラーの渡辺由紀子と言います。
子供も就職して、家庭をもった。親の先々は気になるけどまだ元気にやっていてくれる。
夫との関係もまずまずだし、定年後はつましい生活になると思うけど、今はちょっとした贅沢もできる。
50代女性の平均的な幸せ像かもしれません。
独身で来た友達から、普段の生活の中で話相手がいるのが羨ましいと言われたり、
子供がいない友人から、将来は子供がいるだけ安心じゃない、と言われるとそんな物かなと思う。
30年以上つれそった相手にときめくわけではないし、子供も取り立てて親孝行をしてもらえるとは思えない。
それでも、夫のDVや、ニートの子供の話をきくと恵まれていると思う。
それでも、なんだかつまらない。
子供が早く大きくなって欲しいと思いながらバタバタしていた頃が懐かしい。
そんな方は決して珍しくありません。
こんな状況から、子育て卒業ならではの、自由で充実した人生に切り替えていくには、
いくつかのコツがあります。
Contents
空の巣症候群 巣立ちは親にとって喪失
子どもが家を出たり結婚したりしたときに、
多くの女性が感じる憂うつで不安になる状態に空の巣症候群という名前がつかられたのは近年の事です。
仕事で言う、燃え尽き症候群と似た所があると言われています。
ある所までは、熱心にやる程、その成果を手にする事ができたのに、目立った成果が得られない状況になる事。
愛し抜いて、手をかけた子どが、もう必要としてくれないという状況は似ているように思えます。
巣だった子供は追わないと決める
普段、自分で生活を立てている子どもが、気遣ってくれるのはうれしい物です。
誕生にメールをくれるだけでも、わくわくします。
母の日や誕生日にプレゼントが届けば、知人に見せびらかしたい位です。
そんな気持を否定する必要はありません。
それでも、心の片隅にもっと近くに居て欲しい、
必要として欲しいという気持があるのなら、子供は追わないと決めるのです。
面白いもので、そんな状態の方が子供は安心して近づいてきます。
ちょっと甘えてみたり、心遣いを見せてくれたり。
親、特に母親が娘を追いかけると、親子の関係は複雑な物になりがちです。
親が重い、盆や正月ぐらいは顔を見せなければと思うけれど、それさえ避けたいと思う。
そんな問題を抱えて、カウンセリングに来られる方がおられる事は親の側も知っておいた方が良いでしょう。
どこかで子供を操りたい親は子供には重荷でしかありません。
むしろ、重荷と思える子供の方が健康とも言えます。
言う事はなんでもきく。配偶者も選んでもらう。
そのかわりうまくいかない事は親の責任と思う子ども珍しくないのです。
同居していて、娘が務めていると、母親は家事や子育てを引き受けがちです。
引き受ける事が悪いとは言えませんが、心の奥に、やっぱり私がいないとダメじゃないという思いがあるのなら
これは私がやりたくてやっている事、やりたくない時はやらない、と自分にも娘にも言い聞かせる位で良いと思います。
喪の期間は必要
子離れを、子を失う事と同列に置くのは、抵抗がある方もおられるでしょうが、当事者にとっては近い感覚だと思います。
大切な子どは、もう帰ってこない、小さな時のように親を求めてはくれないのです。
子供が小さかったころのアルバムを繰りながら、涙ぐんでしまう。
そんな時間は、持った方が良いのです。
半分は、元気にやってくれているだけ良いと自分に言い聞かせながらも、寂しい物は寂しい。
急に、自由になったのだから、やりたかった事をやるのだと気分だけ上げようとすると空回りします。
気分転換といった所で、何をしてもそんなに楽しめない。それでも、ちょっと楽しめる事をやってみる。
空の子供部屋をみて、また、涙ぐむ。
数か月から、半年もそんな事をやっているうちに、子ども部屋が物置になって、子供が帰省してくる時に慌てて片付ける。
そんな状態になれれば良いのではないでしょうか?
空の巣 子育て後の人生を満たすもの
何となく、子供が傍にいない生活にも慣れてきた。
それでも、寂しさ、もっといえば、虚しい気持がぬぐえない。
時間は有り余る程あるし、学費などから解放されたのだから、多少のゆとりもある。
何かで、この空虚な感じを埋めたい方に、同じ思いを超えてきた者から、いくつかご提案したい事があります。
自分なりにアレンジして、これからの人生を考えていただけたらと思います。
パートナーとの関係を結びなおす
特に不仲と言うわけではないが、空気みたいな物。
50代の夫婦関係の多くは、そんな感じかもしれません。
子供を巡る悩みを相談した時、それどころではないと流されたとか、
自分の親の介護を嫁ならば当然と言われたとか長年の恨みを抱えておられる方も珍しくありません。
どちらにしても、半歩歩み寄るのが、良いように思います。
不仲ではないが、取り立てて共通の話題もない方なら、一緒に出掛ける機会を作る。
遠出しなくても、花を見に行くとか、少し贅沢な外食するといった事でも良いでしょう。
帰省とか、親が訪ねてきたとかではなく、非日常の二人の時間を持つ事がお勧めです。
言えない思いが溜まっている方なら、少しだけ口にしてみる事です。
古いエピソードを上げて一気に不満をぶつけるのはタブーです。
それって、私だけの役割なの?みたいな事をつぶやく事からはじめましょう。
不満はあっても、同じ積み重ねがあって、結婚生活が維持されてきたのですから、一気に変えようとすると夫婦関係が破たんします。
経済力もあるし、それも辞さないと思われるなら、
子供への影響も少なくなっていますし、絶対にいけない選択とは言えないかもしれません。
それでも基本は何十年かをともにしてきた中で培ってきた物にも目をむけていく事です。
他者貢献に気持をむける
仕事でも良いし、お金に余裕があるのでしたら、ボランティアでも良いでしょう。
人の為に何かをする事に気持を向けてみるのは、どうでしょうか?
いきなり、人の心の深い所に触れるような仕事をしたいと思うと失敗します。
人に何かしてあげたいとか、話を聞いてあげたい気持が強い時は、自分の傷を必要とされる事で癒したい時です。
それもわかった上で、他者貢献を勧めているのですが、こんな時の他者貢献は人を操りたい気持と表裏一体です。
自立したのに追いかけて操られるのを恐れて距離をおきたい子供との関係を思い出してください。
心その物を扱うような仕事でなくても、相手がそれを望んでいるかは、丁寧にみていく必要はあります。
評価されなくても構わないような気持で、公園のお掃除などができる方は立派ですが、なかなかそれだけでは心が満たされるというのは難しいようにも思います。
学ぶ・・極める
50の手習いという言葉がありますが、何かを学び始めるのも良いですね。
趣味でも良いのですが、できればこれを仕事にできたら、といった心積もりで取り組んでいける事がみつかると良いと思います。
実際に、それで生活を立てる所までいける方はまれかもしれませんが、フリーマーケットやバザーで小銭になるだけでも作る喜びとは一味違った、生きがいのようなものを感じられるかもしれません。
お金を得られるという事は、シンプルにあなたを必要としています、という意味合いがあります。
得られるお金の額ではなく、自分のやった事を受け取ってもらう事に喜びを感じていただければと思います。
子育ては人生の一部 これからが自分の人生
人生80年と言われたもの、もう何年も前の事で、平均寿命は90歳に手が届こうとしています。
大学を出すまでが、子育てと考えても、2~3人の子育てで25年位のもの。
子育ては人生の一部でしかない事。
それに匹敵する時間が子育ての後にあるという事は、最初から念頭に置いておいていただくのも良いのではないでしょうか。
それでも、子離れは人生の大きなテーマであり一区切りです。
一人で抱えるのは辛い方は、まず同年代の友達と分かち合ってください。
それでも難しい時は、同じ経験をしながら心理療法を学ぶ事で切り抜けてきた者として同行させていただきます。
既婚 子持ち 50代 自分には何もない 虚しいと思う時
仲良し親子も子離れのプロセスが健全な親子関係
空の巣は辛いけど手放す愛
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