自分は変わりたくない 人を変えたい人とカウンセラーとしてどう関わるか
- 2019.03.08
- 私のカウンセリング
看護師・心理カウンセラーの渡辺由紀子と言います。
カウンセリングで変わっていけるのは、自分で変わる気がある人だけだというのは正論です。
人に引っ張ってこられたような人は、成果も出にくいし、そもそも継続が難しいです。
その為か、最初から、変わる気がない人は来ないで下さい、とうたっているカウンセラーも沢山います。
私は、これはどうかも思っています。
はっきり言って、あんたプロなの、という感じです。
変わろうと思うまでが大事なプロセス
過去と他人は変えられないと言われています。
自分を変える事で、周囲に影響を及ぼしたり、過去の意味付けを変えたりはできます。
それを、ストレートに望んでいる人の方がやりやすいのは確かです。
もっと言えば、自分でかわる気にならないと変われないのです。
ただ、だからと言って、変わる気がない人は来ないでください、というような恥ずかしい事は私はとても言えません。
それは、医師が、自分の治療方針を受け入れない人は治療しません、と言っているようなものです。
言って良いのは、自分の治療方針を受け入れられないなら、充分な効果を得られません、という所までだと思います。
受け入れてもらう為には、懇切丁寧に説明したり、情緒的に訴えたりしながら、最後の選択は本人に任せます。
骨折の後に、手術は怖いから、このまま直してください、といった事は日常的です。
時間がかかったり、後から痛みが出たり、いろいろな可能性を説明した上で、最後はご本人に選んでもらう。
そして、手術を選ばなかった人も、治療は続けます。
心の専門家が変わる気がない人はこないでくださいというのは、自分が勧める手術を受け入れない人は治療しませんと言っているようなものです。
私はそんなtherapistにはなりたくありません。
ただ、これは、変わる気がない人でも変えられます、という事を言っているわけではありません。
変わってみようかな、と思えるまでの過程にも、お付き合いしますよ、というだけの事です。
なんだか今のままでは、この先もうまく行かないような気がする。
それでも、自分のせいではないと思う。
変わるように言われる事には、すごく抵抗がある。
そんな方は、そのままおこし下さい。
首根っこを押さえて変える力などありませんので、安心してください。
人を変えたい時 自分の立ち位置を変えてみる
自分がかわりたくない、とセットになっているのが、人を変えたい気持です。
これも、曲者あつかいされますが、ごく当たり前の気持です。
夫が家事をしない、子供が勉強しない、
人が変わらないと、変わる気がないと文句を言っているtherapistも同類です。
人を変える事はできないと言われていますが、自分の関わり方を変える事はできます。
その影響力は、想像した以上に大きいものです。
それでも、それは自分が変わる事を求められているようで、抵抗がある方も多いものです。
そんな方には、相手に対する、立ち位置を変える事をお勧めします。
これは比較的簡単です。
相手に正面から向き合っているようなら、背中を見せてみる。
懇願しているような対応をしがちなら、指示してみる。
逆もしかり。指示命令をしがちなら、お願いしてみる。
何が効果があるかというお話しではありません。
同じパターンで硬直している所に揺さぶりをかけていくのが目的です。
生活が乱れて昼夜逆転している子供とともに明け方まで起きているお母さんの話を聴いた事があります。
そんな方なら、さっさと自分は寝てしまうだけでも流れは変わってきます。
子供が気になって、メールまでチェックするような事をして怒らせているような親なら、とにかく自分の関心を他の好きな事に向けていきます。
こんな事は、傍目には簡単な事を言っているように聞こえるかもしれませんが、当事者にはとんでもない事です。
それだけ、構造がガチガチ。
同じうまくいかないパターンを繰り返しています。
夕食は休日でも食べっ放しの夫の皿を洗うのが不満なら、下げる事もしないのが一番良いのです。
当然、イライラもおこりますし、喧嘩になるかもしれません。
それでも、不満を飲み込んでいては、不満な事さえ気づかれていないかもしれません。
俺を怒らせるな、とうそぶく男には、一人で怒っていな、という態度をとる事です。
手がでるタイプなら、警察を呼ぶくらいの覚悟は必要になりますが。
それでも、そこまでやると、相手はかわらないまでも、相手との関係性はかわってきます。
人を変えたい人に対する、一番現実的なアドバイスだと思っています。
相手も自分も変わる事を望んでいない時
これが難しいようであれば、共依存を疑ってみた方が良いです。
変わって欲しいと言いながら、相手が変わる事は本当は望んでいない。
自立したしっかりした人になってもらっては困ると思っている可能性があります。
夫婦関係でも、親子関係でもおこります。
共依存という事が理屈では理解できても、共依存という関係が、本当に変わっていくのは容易ではありません。
変わりたいとご本人が望んでいないからです。
相手を変えて欲しいと言っても、相手が変わる事さえ、一番奥の所では望んでいないと言えるかもしれません。
そんな方であっても、その状況に困っているのなら、おいでいただくのも良いと思います。
お金と、時間という枠があれば、その範囲でしっかりかかわらせていただきます。
成果や結果をお約束できるものでない事は、承知しておいていただけなければなりませんが、異質なモノを入れるだけで、流れが変わる事はあります。
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