ささいな失敗で 自分を責めてしまって辛い 自責 自罰を緩和したい
- 2019.02.23
- ストレスと向き合う メンタルヘルス・セルフケア
- 自責
看護師・心理カウンセラーの渡辺由紀子と言います。
ちょと仕事でミスをするといつまでも引きずってしまう。
その為か、またつまらないミスをしてしまう。
よくきくお話しです。
自責の念、罪悪感で苦しんでいる方は多いですね。
自分を振り返って自省する気持が
全くないのは困りますが、そんな人はほとんどいらしゃいません。
どちらかといえば、ほとんどの人は自責が強すぎて苦しい思いをしています。
そして、過剰に自分を責める事で、
また、同じような状況を招いてしまう事があります。
こんな方に、まずお話しするのは、自責を緩めるのは自分の為ではない、という事です。
実際は、少なくても半分は自分の為なのですが、自責の癖が強い型は、
自分の為に自分を責めない、という事がまず自分に許せない事が多いので
あえてそんなふうにお話しをしています。
自責を緩和する為に・・自分の責任以外の可能性を考える
自責の強い方の癖として、周囲のうまくいかない事を自分の責任だというフィルターをかけて見るという事があります。
明らかに自分の責任でない事まで、自分の責任のように
受け止める事もあります。
周囲の人の機嫌が悪いと自分を責めて、
自分が機嫌が悪い状態で人の機嫌をとろうとします。
気をつかっているようでも、
どこかで自分を不機嫌にした相手を責める気持ちが見え隠れするので、
うまくいきません。
そんな方には、自分のフィルターをはずして相手をみる練習をしていただきます。
認知行動療法であれば、
他の考えを想定して、
そう考えた時に自分の気分がどうかわるかを見ていきます。
普段の自分の考え方 自動思考を緩める取り組みです。
上司が不機嫌な時に自分の仕事に不満があるせいだと考える所を
奥さんと喧嘩でもしたんだろう、と考えられれば
不必要にビクビクしないですみます。
これは効果的な方法なのですが、効果が出にくい人もおられます。
そう考えられる人はいるかもしれないけど、そんな可能性があるのは頭ではわかるけれども、
自分はそう考える事はできないという人です。
自責の念が緩みにくい人は・・責任の範囲を自覚する
仕事でミスをした時に自分の責任だと自分を責めている時、
切り替えて頑張ばった方が周りも許してくれると思った方が良い、
その方が、次にミスをしないように頑張る事もできる。
理屈ではそのあたりはわかるのだけど、どうしても引きずってしまう。
そんな人の中にあるのは、
自分を許す事への恐れです。
自分を責めていないと、もっと責められる。
こんなに自分を責めているのだから、あなたまで私を責めないで。
こんな気持で自分を責め続けてしまいます。
そんなパターンが身に着いた経過には、そうしなかった事で責められた経験があります。
子供のころに、親に言い訳をするんじゃない!と言われた事や、
社会人になったばかりのころ、報告をおこたって叱責された事など。
大きなミスで周囲に迷惑をかけて、自分も傷ついたという経験である事もありますが、
こんな事もできないのか、と言われたような小さな傷つきの繰り返しの事もあります。
そんな方は、いつも反省して落ち込んでいないと
居る場所がなくなるような感覚が身についています。
そんな方にお勧めしたいのは、
反省しているフリを身に着ける事です。
あえてフリという言葉を使ったのは、
反省しているように見える事も大切だと思うからです。
特に過剰に自分を責める人は、
反省するというより自分が責められない為にはどうしたら良いかに
捕らわれてしまっています。
それなら、そんな自分を認めて
人に責められないと思う行動をすれば良いのです。
人に責められない為に、自分を責める事は自分が思っている程、役にたっていません。
確認漏れでミスがあったような時に、
再度ミスが出ないかビクビクして、何度も何度も見直す。
人にその仕事は触らせない。
本人は自分を責めて二度とミスをすまいと思っているのかもしれませんが、
まわりにはそう映らない事も多いものです。
なに一人でやっているの、といった感じです。
私なりにチェックしてみましたが、いかがでしょうか?
そう言えた方が心象は良いです。
自分もチェックしておくよ、と言ってくれるやさしい先輩や上司だけではないでしょう。
落ちはないだろうね、と嫌みを言われたにしても、
提出した物を受け取ったら、責任は相手に移ります。
ミスがあれば、叱られる事にはかわりないように思われるかもしれませんが、
最終チェックをお願いしながら、自分なりに仕上げた物を提出する所で
あなたの責任は完了しているのです。
心理学にバウンダリー(境界線)という言葉があります。
自分の責任は自分の責任ですが、
人が責任を持つべき所を背負わない。
しっかり、線を引く事も必要なのです。
ミスがあったと言われたら、
余分な事は言わないで、謝罪をしておく方が良いですが、
自分なりにやる事はやったもんネ!と思っていた方が、
次のミスは起こしにくくなります。
本当に反省するとは、落ち込んでみせて
自分を責めにくくする事。
責められた時に、
こんなに自分を責めているのにひどい対応だ
と言い訳をする事ではありません。
これは防衛と言います。
防衛はその場では役に立つこともありますが、
次のミスに繋がって自分の評価を落とします。
決して、利口なやり方ではないのです。
不必要な自責を減らすには・・仕事も責任も分かちあう
不必要な自責の念を減らすには、
仲間と責任を分かち合う事です。
何かあった時に人の責任にする事ではありません。
周囲を信じて、フォローを求める。
自分にできるフォローをする。
一つの仕事をチームで仕上げていく。
その中で、どんな責任を果たしていこうかと考える。
なれないと、これは自分がやるべき事なのだ、
といった気持が先に立つかもしれません。
それでも、組織の中で動いていれば、
一つの事を一人だけでやらなければならないような仕組みには
なっていないものです。
頼るのは嫌というのは、
自分のゆがんだプライドで、
頼らない事が責任のがれである事もあります。
助けてもらてあたり前だと思っていると、
全体の結果が思わしくなかった時も、
自分だけの責任であるような発想にはなりません。
自分で何もかも引き受ける事を粋に感じるような
考え方がみについていると、
切り替えるのには努力が必要かもしれません。
それでも、組織の評価も概ね、
個人としてどれだけ力があるか以上に、
チームの中でどれだけの役割が果たせるかが焦点になります。
ひとりで頑張っている仕事のできる人は
案外、評価が低い事も知っておいてください。
そのあたりまで念頭において普段から、
立ち位置を定めていくのがお勧めです。
それがあたり前になると、成功を自分の業績だけのように思う事はできませんが、
思うように事がすすまなかった時に、不要な自責の念にもとらわれないですむようになります。
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