カウンセリングで何が変わるの?変わる事に抵抗がある
- 2019.02.15
- 私のカウンセリング
看護師・心理カウンセラーの渡辺由紀子と言います。
カウンセリングで何が変わるの?と聞かれることがあります。
興味深いと言ったニュアンスのこともありますが、
挑戦的な感じのこともあります。
何を変えられるの変えられてたまるものか
といった感じが伝わってくることもあります
カウンセリングの効果などについて
専門的に説明した文献やウェブ上のページはたくさんあると思います。
私も一通りの事は学んできまましたが、
今日はそれにあまりとらわれず
私が考えたり、経験してきたカウンセリングで何が変わるかを
お話ししてみたいと思います。
心理セラピーと言うところまで話を広げると
ちょっと大きくなりますので
今回は傾聴を中心としたカウンセリングと言う範囲の中で
できることをお話ししてみたいと思います。
カウンセリングの効果
気持がすっきりする カタルシス
悩みがある時は、話を聴いてもらいたいと思うものです。
10年位、心理療法に莫大なお金と時間をつぎ込んで、
セルフケア、自分の問題を自分で処理する事になれてきても
やはり、本当に心理的に大変な時は話を聴いてもらいたいと思います。
話をすれば気持ちはすっきりします。
カウンセリングではカタルシスと言う言葉を使います。
これはほんの入り口で浅いところではあるのですが、
最初に来られた時にこんな印象を持っていただけないようでは
カウンセリングは成立しません。
次の段階であるラポール、信頼関係を築くためにもまず
カウンセリングの入り口でこのカタルシスを経験していただく事は
必須のことだと思います。
ただ、このカタルシスは有料のセッションでなくても
聴き上手な友達でも得られる事です。
カタルシスだけで、有料のセッションを提供しているカウンセラーは
どんなものかと思います。
問題の正体が見えてくる
お話をしていていると
自分の問題がどこにあるかが分かってきます。
カウンセリングにいらっしゃる方は
問題の解決を期待して来られるのですが、
実際は最初はどこに問題があるのか見えていないものです。
転職を繰り返してしまう事一つでも、
仕事の適性の問題の事もありますし、
人間関係の事もあります。
それくらいの区別は最初からついているのではと
思われるかもしれませんが、
案外そうでない事もあります。
仕事で細々した指摘をしてくる人が言われた時、
人間関係のストレスかと思っていたら、
仕事に適性がなくて人並みの事ができていなかったといった事はがあります。
カウンセラーに話していく過程で、
ご自分で見えてくる事が多いものです。
面白い事に、
問題は何も変わっていないのに、
何が問題かはっきりしてくると、
悩みの重さは半分位になります。
これは、私自身がクライアントの側で何回も
経験してきた事です。
解決の手立てが見えてくる
カウンセリングというと、職場での面談のように、
自分の足りない所を指摘されたり、見つけるように仕向けられる場。
自分の欠点を指摘されて傷つく事になるような印象で、
敬遠される方もいらっしゃるものです。
話をしているうちに、自分の足りない面やつまらない拘りに気づいて
ほろ苦い思いになる事はあるにしても、
カウンセリングは反省会の場ではありません。
問題の正体がはっきりしてくるにつれて、
まず、自分で動く事で解決できる事、
成り行きに任せるしかない事、
気持の持ち方で楽になる事といった区別がついてきます。
行動を変える事が、解決に有効だとわかれば
そんな行動をすれば良いだけの事です。
下手に過去の行動の反省に捕らわれると、
先に進めなくなります。
あのやり方ではうまくいかないと自覚するだけで充分なのです。
カウンセリングで変わる行動は小さなものでありながら、
その人の生活全般に大きな影響を与えます。
いつも職場で受け入れられにくいことを悩んでいた人が
自分が挨拶をしているつもりだったのに
下を向いて口の中でつぶやくような挨拶をしていたために
きちんとした挨拶もできない奴といった評価を受けていた。
はっきりと顔を上げて挨拶をすることを意識しただけで、
職場の居心地が格段に良くなったと言った事はたくさんあります。
コミニケーションが下手で雑談もできないと嘆いていた方が、
コミニケーションの責任は双方にあるのだから
自分だけが頑張る必要がないということが風に落ちてくるにつれて
自然に雑談もできるようになっていたと言うこともあります。
変わると言うと何か反省して態度を大きく変えなければならないように
感じる方が多いようですが
カウンセリングでかわるとは
そんな些細なそれでいて周囲に大きな影響を与える事ができるようになる事です。
行動として些細な分、その大切さに気付いていない事が多いものです。
問題が解消する
解決とは別に、問題が気にならなくなる。
状況はかわらなくても、問題でなくなる。
という領域があります。
考え方、捉え方だけの事なのだけど、
実際には難しい事です。
心理療法の領域のお話しは
またおいおい書いていきたいと思います。
カウンセリングは成長の手立て
辛くてしかたがない問題が解決したら、
カウンセリングは卒業、と思われる方も多いのですが、
本当はもったいない話です。
特に、相性の悪い人が異動になっていなくなった
苦手な部署から負担の少ない部署に異動した、といった
まわりの状況の変化で問題がなくなった時は注意が必要です。
自分は何も変わっていないのだから、
また、同じ事をしてしまう可能性が高い事は念頭においていた方が良いと思います。
カウンセリングは運動で体を作っていくように
心を作っていきます。
逞しさと、柔軟さを備えた自分になれるように心を鍛えていきます。
我武者羅にきつい運動をする事が
体を壊す事に繋がるように、
やたらに自省する事は、鍛えているつもりでも
心を蝕んでいるだけです。
そのさじ加減がわかるまでは、
人の力を借りるのも良いように思います。
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